2015年11月24日火曜日

超爆速! 群雛15年12月号レビュー!


 いえい、発売後41分でレビュー!(速すぎ)

 でも、ほんと、読み甲斐とともに楽しみが詰まった本なので、今回も強くおすすめなのです。



ゲストコラム「セルフプライディングで大切にしていること」結城浩


 当たり前なんだけど難しい。ほんと難しい。

 でも、この著者はその難しいことをしてきたんだなあ。だからこうなったんだろうなあ。

 本棚を見ると人柄がわかるという理論があるけど、タイムラインも人柄を表すかも。

 となると、私のダメさが……。駄目だ自分。Twitter、頑張るけどシンドい……。もう手が回らん。

 まあ、なんでも、がんばりすぎるとしんどいよね。

 著者の真面目で端正な印象がほんとによく出てる。そういうところがいいよね。

 私にはムリだ……。


オルガニゼイション(最終回)波野發作


 ループものSF。でもちゃんとループの外に出られる。

 ループものって、一瞬嫌な予感がしてしまうんだけど、途中が面白いので全く大丈夫だった。

 むしろループものに挑んだ意欲がいいよね。

 だって、ループものって、ああループなんだ、って気づかれたら、すごく読む側のハードルが、ガツーンと上がっちゃうんだもん。

 それでも、そのハードルを超えたから、立派だなと思った。




鼠の家 矢樹純


 ん? と、サラリと読みかけて。

 まてまてまてー! これ、すごく良く出来てるぞー!

 地味な中間小説の皮を被って、実はすごく軽やかに重いテーマを扱ってる。

 地味なだけにうっかり取り落としそうだが、構築も道具立ても良く出来てる感じ。

 作りこみもいい。びっちり詰め込んである。

 というか、著者プロじゃないかー!

 たしかにそりゃ上手いよなあ。熟練の技を見ました……。




6人の出張 米田淳一


 パス。私の作品。趣味に走り過ぎました……。

 というか、ここに「鉄研でいず」載せちゃうとか……しかも掌編枠だよ?

 どうかしているのであるな。(あ、総裁が出てきた)




青い欄干 川瀬薫


 一風堂は名前だけだとラーメン店ではないのかと一瞬思ってしまった。(ヒドイっ) この作中ではジャズ喫茶なのね。(「博多一風堂」というラーメン店があるのよ……なんという不運(´;ω;`)ブワッ)

 で、この作品、風味が「こってり」ではないけど、澄んだ中、「濃い」なあ。

 質として、十代の文学好きにに対する「挑戦」になりそう。

 読み解いていくと肩がちょっと凝りそうなところが、ちょっとまえの純文学が最後に元気だった頃の雰囲気。

 モチーフ的には「神田川」みたいな世界がちょっと時代を今に近づいたかなという感じ。となるともろ私の世代の感じなんだよね。御茶ノ水でもなく渋谷でもなく新宿なのね。

 音楽趣味がある読み手だともっと楽しめるかも。でも、なくても雰囲気は感じられて良い。

 こういうのを読んで育った10代だった私です。今の10代も、ぜひ頑張って読んで欲しいなあと。


夏のかけら 幸田玲 (第4話)


 話に動きが出てきた。

 こうきて、第五話でどうなるのか。まあ、別れの後の旅行といえば展開はなんとなくわかるけど、途中の不安のあった展開から、だんだん内容が入ってきた。

 やや不安定な世界に記述が山盛りなんだけど、これが安心して読める描写になっていくのか。

 どんどん気になる作品になってきた。

 こうやって読者を巻き込んでいく作風もあるんだなあ、とむしろ私は発見しちゃっているのです。なるほどなあ。




Twitterでフォロワーを増やすには 鷹野凌


 Twitter、しんどい……。一日が24時間じゃ足りない……(いや私が使い方を間違えているだけです)。

 でも相変わらず、ますます参考になる。




一小路真美は興味がない 晴海まどか


 再び学園モノで連載。それでもほんと、安定してるからなあ。

 ツンデレ? でも作風までツンデレだもんなあ。どうしたんだろう。私、少し怒らせちゃった?(ヒドイっ なんか、久しぶりに同じ号に載るような。

 多分、こういう世界の中で生きていく作者なんだなと理解した。わたしも同じように世界作って生きてるから人のことと言えないし、実際、そう生きていくのが一番なんだよね。

 だいたい何かで内的世界がかわるなんて、その程度の内的世界だといっていいし。向井千秋なんか、宇宙に行っても「発見はあったけど、変化しなかった」って感じに向井万起男は言ってたぞ。

 そして、徹頭徹尾、ツンデレなのがよい。

 ……って、ええっ、今回全然キャッキャッしてないぞ! すごい!(今更

 こういうのも書けるのか…。

 うむ、奥が深いのであるな。(なぜかうちの総裁が出てきた)

戦術ナドロ 和良拓馬


 すごく内容は興味深い。

 でも、もうちょっと、表現するところに欲が欲しいかもなあ。

 多分、普段より熱くのめり込んで書いているせいじゃないかな。

 すごくその心理わかるし、私も実際、今回そうだからねえ……。つい、熱くなるよねえ。

 まあ、こういう時もあったほうがいいと思う。

 その熱さは十分伝わったので、良いのである。




夢のつづき 泉鳴巳


 ほう!

 うまい!! 掌編としてよくできてる!!

 いいねえ。これは掌編枠を作った意義をよく理解した作品。読んで楽しかった。

 構造的にはぽーんとボールを投げる感じなんだけど、そのボールを受けるのは我々だもんね。

 それも、ちゃんとキャッチするしかないようになってる。うまい!!




尾張名古屋共和国 よたか


 ポリティカル・フィクション。

 ううむ、ぎりぎりだぞっ。すごくぎりぎりだぞ。

 ううむ、ううむ。

 日本沈没とか、いろいろ考えてしまった…。というか、むしろ「プリンセス・トヨトミ」風味かな。

 私的には、この日本がよくなるなら藁にでも縋りたいと思ってたけれど、だいたいそういうすがる藁って歴史的にはいつも本当に藁なので、なかなかしんどいなと。

 すごく難しいなあ。うーん、うーん。

 でも、テーマとしては私も共有するところが多い。ううむ、研究したい。

 いつか、私もこういうのやりたいの。でも実際は22世紀に舞台を移さざるを得なかったわけで、そういうところは羨ましいな、まぶしいなと思った。



パトリシア 浅野佑暉


 掌編で、すごく綺麗で澄んだ感じ。書いてる内容もいいし(名前の付け方からしてステキだよね)、それでいてサラリとしすぎていないところもいい。こういう風合いは好き。私の好み。

 90年代のSFアニメの小編みたいですごくいい。新海誠とはまた別な感じだけど、狙い目はそういう層かな。個人的にぐっとくる。


紅潔し(表紙) 長嶋たま


 なんという私得。

 おにゃのこ、ふともも、赤い甲冑! うふふふふふふふふ(壊)。

 たいへんけしからんくてよいのです。ふふふ。


総括

 これは、またあとで、ゆっくり読み返して、さらにじっくり語ろうと思うのね。

 ほんと、ぱっと読んで「おおっ」と思うし、読み返して、「おお、なるほどなあ」と思うようになってきたし。

 進化の歩みを止めない群雛、と毎回思うのです。

 ここから先は自分の目で確かめてくれ!(いや割と本当)


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